【角の二等分線#3】3つの発想で読み解く実戦編。二等辺三角形が決め手になる灘19年

中学数学

角の二等分線を見たとき、まず最初に持ち出したい発想は線分比です。そして、もう一つ角が同じ大きさであれば、二等辺三角形が隠れている可能性があります。

この記事では、実際の高校入試問題(灘19年)を使って、#1 や #2 で養った発想を試します。3つの解法を比較しながら、発想の引き出しを広げていきましょう。

直接ここに来た方は、二等辺三角形の発見を扱ったこちら↓もご覧ください。

問題(19年 灘)

?の長さを求めよ。

図を見ると、$\triangle\mathrm{ABC}$ の角度と $\angle\mathrm{C}$ に「倍半分」の関係があります。倍になっている角を半分にすれば、角の二等分線が現れます。ここから3つのアプローチが可能です。

解1. 線分比の発想(基本)

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解1

まずは角の二等分線を $\mathrm{AD}$ まで伸ばし、点 $\mathrm{E}$ を取ります。

\begin{gather} \triangle\mathrm{BED} \unicode[sans-serif]{x223D} \triangle\mathrm{CAD}\\ (\because\;\angle\mathrm{EDB}=\angle\mathrm{ADC}=90^\circ,\; \angle\mathrm{EBD}=\angle\mathrm{ACD}) \end{gather}

相似比は $1:4$ なので、

$$\mathrm{DE}:\mathrm{EA}=1:3$$

線分 $\mathrm{BE}$ は角 $\mathrm{B}$ の二等分線なので、

\begin{eqnarray} \mathrm{BD}:\mathrm{BA} &=& \mathrm{DE}:\mathrm{DA}\\ &=& 1:3 \end{eqnarray}

あとは三平方の定理で $\mathrm{AD}$、$\mathrm{AC}$ を求めれば、

$$\mathrm{AC}=2\sqrt{6}$$

(三平方の定理の詳細は下記リンク参照)

解2. 二等辺三角形の発想#1(角の二等分線 → 二等辺三角形)

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解2

角 $\mathrm{B}$ の二等分線を $\mathrm{AC}$ まで伸ばし、点 $\mathrm{F}$ を取ると、

$\triangle\mathrm{BFC}$ は二等辺三角形

となるので、底辺 $\mathrm{BC}$ が二等分されて、

$$\mathrm{BH}=\mathrm{HC}=\frac{5}{2}$$

さらに $\mathrm{BD}=1$ より、

$$\mathrm{DH}=\frac{3}{2}$$

$\mathrm{FH} /\!/ \mathrm{AD}$ より、

$$\triangle\mathrm{CFH} \unicode[sans-serif]{x223D} \triangle\mathrm{CAD}$$

よって、

\begin{eqnarray} \mathrm{CF}:\mathrm{FA} &=& \mathrm{CH}:\mathrm{HD}\\ &=& 5:3 \end{eqnarray}

線分 $\mathrm{BF}$ は角 $\mathrm{B}$ の二等分線なので、

\begin{eqnarray} \mathrm{CF}:\mathrm{FA} &=& \mathrm{BC}:\mathrm{BA}\\ 5:3 &=& 5:\mathrm{BA} \end{eqnarray}

よって、

$$\mathrm{BA}=3$$

あとは解1と同様に三平方の定理で $\mathrm{AC}$ を求めれば、

$$\mathrm{AC}=2\sqrt{6}$$

解3. 二等辺三角形の発想#2(外角 → 二等辺三角形)

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「角の二等分線#2」で扱ったように、外角を使うと二等辺三角形が見えてくる場合があります。この問題もそのタイプで、補助線 $\mathrm{AG}$ は最初はなかなか思いつきませんが、外角 二等辺三角形の発想を持っていると見えてきます。

直角三角形を折り返す発想や、外角から二等辺三角形を見抜く発想は、こちらの記事でも扱っています。

点 $\mathrm{A}$ から $\mathrm{BC}$ に向かい、$\angle\mathrm{AGB}=\angle\mathrm{ABG}$ となるように点 $\mathrm{G}$ を取ると、

$\triangle\mathrm{ABG}$ は二等辺三角形

ここで $\angle\mathrm{AGB} = 2\angle\mathrm{C}$ なので、外角の定理より、

$$\angle\mathrm{ACG}=\angle\mathrm{CAG}$$

よって、

$\triangle\mathrm{CAG}$ も二等辺三角形

よって、

\begin{eqnarray} \mathrm{GA} &=& \mathrm{GC}\\ &=& 3 \end{eqnarray}

$\triangle\mathrm{ABG}$ も二等辺三角形なので、

\begin{eqnarray} \mathrm{AB} &=& \mathrm{AG}\\ &=& 3 \end{eqnarray}

あとは解1と同様に三平方の定理で $\mathrm{AC}$ を求めれば、

$$\mathrm{AC}=2\sqrt{6}$$

まとめ

同じ問題を3つの視点で解きました。

  • 解1:線分比(基本)角の二等分線の本質
  • 解2:二等辺三角形の発見#1角の二等分線二等辺三角形の発想
  • 解3:二等辺三角形の発見#2外角二等辺三角形の発想

別解を大事にすると発想の引き出しが増え、図形の読み解き方に奥行きが生まれます。#1〜#3 を通して、角の二等分線の問題に潜む「二等辺三角形」の見え方が大きく広がったはずです。

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