二次関数の式は $y=ax^2$ という形です。$x$ と $y$ は座標なので、グラフの形を決めるのは $a$ の1つだけです。これが1つの点でグラフは決まる理由です。グラフの形は $a$ に応じて変化します。その変化をイメージできれば、1つの点でグラフが決まるということが鮮明に理解できます。この投稿ではそこを目的にします。
そのためここでは次の問題を解くことを目標に、これらのことを深掘ってみていきます。
二次関数 $y=ax^2$ が点 $(4,8)$ を通るとき、$a$ の値を求めよ。
基本事項の確認
二次関数の一般形と中学範囲の二次関数
中学範囲で出てくる二次関数は、
$$y=ax^2\tag{1}\label{p1283eq1}$$
の形です。しかしこれは二次関数の特別な場合です。二次関数の一般形は高校に入ってから習いますが、
$$y=ax^2+bx+c\tag{2}\label{p1283eq2}$$
という形です。いずれも $x$ の最高次数が2であることが特徴で、実は\eqref{p1283eq2}は\eqref{p1283eq1}を平行移動したものですが、そのことの深追いはここではやめておきます。
冒頭の問題を解く
$a$ を変化させたときの動きを見る
それではいよいよ冒頭で予告した問題を解きます。それは次の問題でした。
二次関数 $y=ax^2$ が点 $(4,8)$ を通るとき、$a$ の値を求めよ。
このとき、$a$ の値を決めればグラフが決まる、$a$ の値を変化させるとグラフが変化する、というイメージを持つことが大事です。そして、その変化は次のようです。
$a$ の値が変化すると二次関数のグラフの開き具合が変わっていくのが分かります。同じ $x$ の値を入れたときの $y$ の値の大小でそのことを腹落ちしましょう。$a$ の値が正のときは下に凸のグラフ、$a$ の値が負のときは上に凸のグラフとなります。
そして、いまは $(4,8)$ を通る状態を探しているので、途中で $(4,8)$ が表れてグラフは $(4,8)$ を探して彷徨っています。$(4,8)$ に出会うと「ここだ!」という感じです。
静止画で再確認すると、下図のようです。
この絵を見ても、どこか点を一つ与えればグラフが決まることが分かると思います。
ただし、原点を除く$y$ 軸上の点だけは、$a$ をいくら大きくしても到達することはできません。$y$ 軸上の点は $x=0$ なので、$y=a0^2$ の $a$ に何を入れても $y$ は $0$ 以外にはなりようがないからです。
このようなイメージを持ちながら解答を書きましょう。
解答
$$y=ax^2$$
が点 $(4,8)$ を通るから、
$$8=a\times 4^2$$
を解いて、
$$a=\frac{8}{4^2}=\frac{1}{2}$$
まとめ
二次関数は中学数学最難関の単元の一つでしょう。高校入試にも常連の単元です。入試問題では直線との交点や三角形の面積などを絡めた複合的な問題が多いですが、一つ一つは決して難しくはなく、基礎的・本質的な部分をイメージとしてとらえられれば複合に惑わされることはありません。
このイメージが十分に養えた人は、↓の難問にチャレンジしてみてください。
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