【2円の共通接線:基礎編】直角三角形に落とし込んで理解する|三平方でつかむ接線の基本形

中学数学

2円の共通接線の問題は、いろいろな形で出てくるように見えますが、実はどれも同じ作図パターンに帰着します。そしてそのパターンさえつかめば、あとは直角三角形に落とし込んで三平方の定理で解くだけです。

円も三平方の定理も中学数学の後半で習うため、練習時間が十分に取れないまま入試本番を迎える人も多いですが、共通接線は高校入試で頻出のテーマです。ここで基本パターンをしっかり身につけておけば、どんな形で出ても落ち着いて対処できるようになります。

三平方の定理をまだ習っていない人も心配いりません。下記の2つの記事で基礎はほぼ身につきますので、この機に先取りしておくのもおすすめです。

具体例3パターン

ここでは、まずは典型的な3パターンを扱います。どのパターンでも共通しているのは、共通接線を平行移動して直角三角形を作るという発想です。アニメーションで全体像をつかみながら、作図の流れをしっかり押さえていきましょう。

2円の共通外接線

$x$ を求めよ。

まずはアニメーションで全体像をつかみましょう。どのように作図し、どこで直角三角形が現れるのかが一目で分かります。

アニメーションの通り、最後は三平方の定理

$$ x^2 + 1^2 = 5^2 \quad\Rightarrow\quad x = 2\sqrt{6} $$

$$x=2\sqrt{6}$$

では、どのようにこの直角三角形が現れるのか、順を追って確認していきます。

共通接線を平行移動して直角三角形を作る

共通接線 $\mathrm{ST}$ を平行移動させて、$\mathrm{QP}$ を作ります。

このとき、接点の移動により

$$\mathrm{QS}=\mathrm{PT}=1$$

となります。また、三角形 $\mathrm{OPQ}$ は直角三角形になります。

したがって、直角三角形 $\triangle\mathrm{OPQ}$ に三平方の定理を適用すると、

\[ x^2 + 1^2 = 5^2 \quad\Rightarrow\quad x = 2\sqrt{6} \]

2円が外接するときの共通外接線

$x$ を求めよ。

先ほどと同じ作図パターンですが、今回は $\mathrm{OP}$ の長さが図に書かれていません。しかし、2円が外接しているので、中心間距離 $\mathrm{OP}$ は「半径の和」になります。

まずはアニメーションで全体像をつかみましょう。

アニメーションの通り、最後は三平方の定理

$$ x^2 + 2^2 = 4^2 \quad\Rightarrow\quad x = 2\sqrt{3} $$

$$x=2\sqrt{3}$$

あるいは、$90^\circ$-$60^\circ$-$30^\circ$ の直角三角形に気づけば、ほぼ計算なしで $x=2\sqrt{3}$ と分かります。

では、どのように直角三角形が現れるのか、順を追って確認していきます。

共通接線を平行移動して直角三角形を作る

共通接線 $\mathrm{ST}$ を平行移動させて、$\mathrm{QP}$ を作ります。

このとき、接点の移動により

$$\mathrm{QS}=\mathrm{PT}=1$$

となります。また、三角形 $\mathrm{OPQ}$ は直角三角形になります。

したがって、直角三角形 $\triangle\mathrm{OPQ}$ に三平方の定理を適用すると、

\[ x^2 + 2^2 = 4^2 \quad\Rightarrow\quad x = 2\sqrt{3} \]

また、半径の比 $2:4$ に注目すれば、$1:2:\sqrt{3}$ の直角三角形であることにも気づけます。

2円の共通内接線

$x$ を求めよ。

これも、これまでと同じ作図パターンです。まずはアニメーションで全体像をつかみましょう。

アニメーションの通り、最後は三平方の定理

$$ x^2 + 8^2 = 10^2 \quad\Rightarrow\quad x = 6 $$

$$x=6$$

また、$3:4:5$ の直角三角形に気づけば、ほぼ計算なしで $x=6$ と分かります。

では、どのように直角三角形が現れるのか、順を追って確認していきます。

共通接線を平行移動して直角三角形を作る

共通接線 $\mathrm{ST}$ を平行移動させて $\mathrm{QP}$ を作ります。同時に、半径 $\mathrm{PT}$ も平行移動させて $\mathrm{QS}$ を作ります。

このとき、接点の移動により

$$\mathrm{QS}=\mathrm{PT}=3$$

となります。また、三角形 $\mathrm{OPQ}$ は直角三角形になります。

したがって、直角三角形 $\triangle\mathrm{OPQ}$ に三平方の定理を適用すると、

\[ x^2 + 8^2 = 10^2 \quad\Rightarrow\quad x = 6 \]

ここでも、$3:4:5$ の直角三角形に気づけると非常に強いです。

一般形3パターン

ここまで具体的な数字で3パターンを見てきました。最後に、どんな数字が来ても同じ作図パターンで解けることを確認しておきます。これは公式として暗記するためではなく、「共通接線はすべて直角三角形に落とし込める」という本質をつかむためのものです。

2円の共通外接線(一般形)

$x$ を求めよ。

まずはアニメーションで全体像をつかみましょう。

アニメーションの通り、最後は三平方の定理

$$ x^2 + (r_1 – r_2)^2 = d^2 \quad\Rightarrow\quad x = \sqrt{d^2 – (r_1 – r_2)^2} $$

$$x=\sqrt{d^2-(r_1-r_2)^2}$$

では、どのように直角三角形が現れるのか確認していきます。

共通接線を平行移動して直角三角形を作る

共通接線 $\mathrm{ST}$ を平行移動させて $\mathrm{QP}$ を作ります。

このとき、接点の移動により

$$\mathrm{QS}=\mathrm{PT}=r_2$$

となり、三角形 $\mathrm{OPQ}$ は直角三角形になります。

したがって、三平方の定理より

\[ x = \sqrt{d^2 – (r_1 – r_2)^2} \]

2円が外接するときの共通外接線(一般形)

$x$ を求めよ。

2円が外接しているので、中心間距離 $\mathrm{OP}$ は 「半径の和」 になります。

アニメーションで全体像をつかみましょう。

最後は三平方の定理で

$$ x^2 + (r_1 – r_2)^2 = (r_1 + r_2)^2 \quad\Rightarrow\quad x = \sqrt{(r_1 + r_2)^2 – (r_1 – r_2)^2} $$

$$x=\sqrt{(r_1+r_2)^2-(r_1-r_2)^2}$$

では、作図の流れを確認します。

共通接線を平行移動して直角三角形を作る

共通接線 $\mathrm{ST}$ を平行移動させて $\mathrm{QP}$ を作ります。

このとき、接点の移動により

$$\mathrm{QS}=\mathrm{PT}=r_2$$

となり、三角形 $\mathrm{OPQ}$ は直角三角形になります。

したがって、三平方の定理より

\[ x = \sqrt{(r_1+r_2)^2 – (r_1-r_2)^2} \]

2円の共通内接線(一般形)

$x$ を求めよ。

まずはアニメーションで全体像をつかみましょう。

最後は三平方の定理で

$$ x^2 + (r_1 + r_2)^2 = d^2 \quad\Rightarrow\quad x = \sqrt{d^2 – (r_1 + r_2)^2} $$

$$x=\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2}$$

では、作図の流れを確認します。

共通接線を平行移動して直角三角形を作る

共通接線 $\mathrm{ST}$ を平行移動させて $\mathrm{QP}$ を作ります。同時に、半径 $\mathrm{PT}$ も平行移動させて $\mathrm{QS}$ を作ります。

このとき、接点の移動により

$$\mathrm{QS}=\mathrm{PT}=r_2$$

となり、三角形 $\mathrm{OPQ}$ は直角三角形になります。

したがって、三平方の定理より

$$ x=\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2} $$

まとめ

2円の共通接線の接点間距離を求める問題は、一見すると図が複雑で難しそうに見えます。しかし、どのパターンも同じ作図パターンに帰着し、直角三角形に落とし込めることが分かれば、一気に見通しがよくなります。

共通接線を平行移動して接点をそろえ、三角形 $\mathrm{OPQ}$ を直角三角形として扱う
──この流れさえつかめば、あとは三平方の定理で一直線です。

高校入試では、数字や配置を少し変えて出題されることが多いですが、基本パターンをしっかり身につけておけば、変化した部分に集中して考えられるようになります。まずはこの基礎編で、共通接線の “型” を確実に押さえておきましょう。

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