二次関数×面積シリーズの仕上げ編です。#1(基本パターン)と#2(実践例)で「発想の型」を身につけてきましたが、ここまで来たらもう難問も怖くありません。本稿では、達人級の難問4選を図と動画でわかりやすく解説します。等積変形・面積比・内分点など、入試で必須の発想を総仕上げしましょう。


問題1:22年 四天王寺
四角形 $\mathrm{OCAB}$ $=$ $\triangle\mathrm{CAP}$ となるとき、点 $\mathrm{P}$ の座標を求めよ。

イメージ
解法の要点(発想)
四角形 $\mathrm{OCAB}$ と $\triangle\mathrm{CAP}$ が等しいためには、残りの部分である $\triangle\mathrm{OCB}$ と $\triangle\mathrm{PCB}$ が等しければよい。

つまり、点 $\mathrm{P}$ は
- 直線 $\mathrm{AB}: y=\displaystyle\frac{1}{2}x-6$
- 点 $\mathrm{O}$ を通り $\mathrm{CB}$ に平行な直線 $:y=-\displaystyle\frac{1}{2}x$
の交点である。
解答
\[ \left\{ \begin{array}{l} y=\displaystyle\frac{1}{2}x-6 \\ y=-\displaystyle\frac{1}{2}x \end{array} \right. \]
これを解くと、
$$\mathrm{P}(6,-3)$$
補足:等積変形の考え方
「$\triangle\mathrm{OCB}$ $=$ $\triangle\mathrm{PCB}$ にすればよい」という発想は、等積変形の基本パターンです。下記で基礎をじっくり取り組んでいます。
問題2:22年 成蹊
四角形 $\mathrm{OACB}$ の面積と $\triangle\mathrm{PBC}$ の面積が等しくなるように、$x$ 軸上の正の方の点 $\mathrm{P}$ の座標を求めよ。

イメージ(前編:四角形 OACB の面積)
解法の要点(前編)
四角形 $\mathrm{OACB}$ は、$\triangle\mathrm{OAB}$ と $\triangle\mathrm{ABC}$ に分けて求めると計算が速い。
解答(前編)
① $\triangle\mathrm{OAB}$ の面積
直線 $\mathrm{AB}$ の切片は $8$。
点 $\mathrm{A}$ と 点 $\mathrm{B}$ の $x$ 座標の差は $12$。
$\triangle\mathrm{OAB} =$ $8$ $\times$ $12$ $\times \displaystyle\frac12 = 48 $

② $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積
点 $\mathrm{A}$ と同じ $x$ 座標をもつ $y=x+24$ 上の点は $\mathrm{A}'(4,28)$。

$\mathrm{A^\prime}$ と $\mathrm{A}$ の $y$ 座標の差は $24$。
$\mathrm{B}$ と $\mathrm{C}$ の $x$ 座標の差は $20$。
$\triangle\mathrm{ABC} =$ $24$ $\times$ $20$ $\times\displaystyle\frac12 = 240$

③ 四角形 OACB の面積
\[ \mathrm{OACB} = 48 + 240 = 288 \]
イメージ(後編:点 P の位置)
解法の要点(後編)
$\triangle\mathrm{PBC}=288$ となる点 $\mathrm{P}$ を求めたい。
まず $y$ 軸上に同じ面積をつくる点 $\mathrm{Q}$ を取り、そこから平行移動の発想で $\mathrm{P}$ を求めます。
というのも、$y$ 軸上なら高さが読みやすく、計算が一瞬で終わるためです。
解答(後編)
点 $\mathrm{Q}(0,t)$ とすると、
$y$ 軸上 の 長さの差は $24-t$。
$\mathrm{B}$ と $\mathrm{C}$ の $x$ 座標の差は $20$。
$\triangle\mathrm{QBC} =$ $(24-t)$ $\times$ $20$ $\times \displaystyle\frac12 = 10\,(24-t)$
これが $288$ になればよいので、
\[ 10\,(24-t)=288\\t = -\frac{24}{5} \]
よって、$\mathrm{Q}\left(0,-\displaystyle\frac{24}{5}\right)$。

点 $\mathrm{P}$ は、$\mathrm{Q}$ を通り $\mathrm{BC}$ に平行な直線と $x$ 軸の交点。$\mathrm{BC}$ の傾きは $1$ なので、
$$\mathrm{P}\left(\frac{24}{5},0\right)$$

問題3:21年 四天王寺
点 $\mathrm{P}$ を通り、$\triangle\mathrm{ABC}$ を二等分する直線と直線 $l$ の交点 $\mathrm{Q}$ の座標を求めよ。

イメージ
解法の要点
$\mathrm{C}$, $\mathrm{P}$, $\mathrm{B}$ の $x$ 座標を比べて、$\mathrm{CP}:\mathrm{PB}=1:2$ 。
$\therefore$ $\triangle\mathrm{CAP}$ $:$ $\triangle\mathrm{PAB}$ $=1:2$ 。

$\triangle\mathrm{ABC}$ の面積(比で 3)を半分にするには、$\triangle\mathrm{BPQ}$ が 1.5 になるような点 $\mathrm{Q}$ を線分 $\mathrm{AB}$ 上に取ればよい。
よって、$\mathrm{AQ}:\mathrm{QB}=$ $0.5$ : $1.5$ $=1:3$ となる点 $\mathrm{Q}$ を求めればよい。

解答
内分点の比より、
\[ \mathrm{Q} = \frac{3\mathrm{A} + 1\mathrm{B}}{4} = \frac{3(-8,16) + (2,1)}{4} = \left(-\frac{11}{2},\,\frac{49}{4}\right) \]

補足:内分点の考え方
内分点は「重み付き平均」です。 $\mathrm{AQ}:\mathrm{QB}=1:3$ のとき、$\mathrm{Q}$ は $\mathrm{A}$ に 3、$\mathrm{B}$ に 1 の重みをつけた平均で求められます。
問題4:21年 西大和学園
点 $\mathrm{C}$ を通り、四角形 $\mathrm{ABCD}$ の面積を二等分する直線の式を求めよ。

イメージ
解法の要点
幸い、$\mathrm{DC}/\!/\mathrm{AB}$ です。なので、面積比は底辺比です。底辺比は $x$ 座標もしくは $y$ 座標の差の比です。すなわち、$5$ $:$ $6$。

点 $\mathrm{P}$ により面積が二等分されるということは、
$\triangle\mathrm{CAP}$ が $\triangle\mathrm{CAB}$ のうち $0.5$ を受け持てばよい。
つまり、$\mathrm{AP}:\mathrm{PB}=$ $0.5$ : $5.5$ $=1:11$ となる点 $\mathrm{P}$ を取ればよい。

解答
内分点より、
\begin{eqnarray}
P &=&\displaystyle\frac{11A+1B}{12}=\displaystyle\frac{11(-4,-8)+1(2,-2)}{12}\\
&=& \left(-\displaystyle\frac{7}{2},\,-\displaystyle\frac{15}{2}\right)
\end{eqnarray}
\[ \mathrm{P}\left(-\displaystyle\frac{7}{2},\,-\displaystyle\frac{15}{2}\right) \]

点 $\mathrm{C}(3,9)$ と点 $\mathrm{P}\left(-\displaystyle\frac{7}{2},\,-\displaystyle\frac{15}{2}\right)$ を通る直線の式は、
\[ y=\frac{33}{13}x+\frac{18}{13} \]
補足:直線の式の求め方
2点 $(x_1,y_1)$, $(x_2,y_2)$ を通る直線は、
\[ y=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_1)+y_1 \]
と書き出せば、あとは一行で整理できます。
まとめ
二次関数と面積の組み合わせは、高校入試で頻出のテーマです。今回扱った4問はどれも難度が高いですが、発想の核は共通しています。
- 等積変形で図形を動かして考える
- 差(高さ・底辺)に注目して面積を一瞬で読む
- 面積比 → 内分点 の流れで座標を求める
- 図・動画(頭の中)で状況をつかんでから式に落とす
この4問を通して、二次関数の面積問題に必要な「発想の型」はほぼ出そろいました。あとは、#1 で学んだ基本パターンを軸に、手元の問題集でもぜひ練習してみてください。
シリーズ #1, #2 はこちらです。





コメント