ここでは次のような積分をかっこのままで行うことを目的にします。かっこのままで行うので置換積分とは言い難いかもしれないですが、置換積分を暗算しているにすぎません。
∫(2x−1)2dx
∫sinxcosxdx
かっこのままで積分する
これは、合成関数の微分↓の逆演算です。
((2x−1)3)′=3(2x−1)2⋅2
(sin2x)′=2sinx⋅cosx
です。これを巻き戻すイメージです。
∫(2x−1)2dx
解
((2x−1)3)′=3(2x−1)2⋅2 より、
(2x−1)2=1213((2x−1)3)′
∴∫(2x−1)2dx=16(2x−1)3+C
不定積分の場合、積分定数 C を忘れずにつけるようにしましょう。
∫sinxcosxdx
解
(sin2x)′=2sinx⋅cosx より、
sinxcosx=12(sin2x)′
∴∫sinxcosxdx=12sin2x+C
置換して積分する
適当な g(x) を選び、t=g(x) と置換します。この置換のイメージは、【置換積分#2】なぜ置換するとうまく積分できるのかで述べていますので、ここでは上記の「かっこのままで積分する」を暗算しているに過ぎないということを理解するだけにします。
∫(2x−1)2dx
t=2x−1 とおくと、
- (2x−1)2=t2
- dt=2dx
であるから、
∫(2x−1)2dx=∫t2⋅12dt=1213t3+C=16(2x−1)3+C
となり、先の結果と一致しますし、途中の式はまさに「かっこのままで積分する」場合の暗算になっています。
∫sinxcosxdx
同様に、t=sinx とおくと、
- sinxcosx=tcosx
- dt=cosxdx
であるから、
∫sinxcosxdx=∫tdt=12t2+C=12sin2x+C
です。t=sinx と置換しても tcosx となって x が残ってしまうところが不安になりますが、その次の dt=cosxdx で不安の種だった cosx がうまく消えてくれます。この不安も、sin2x を微分した際に cosx が出てくることを思い出せば後に消えてくれることが想像されるため、解消されます。結局、暗算の力が不安を解消してくれています。
ここまでのところで凡そつかめた方は、より本質的なこちらの記事をご覧くださいませ。
もう少し例題を踏まえたい方は続きをご覧ください。
例題: かっこのままで
∫x(x2−1)dx
〇2 を微分すると 〇 の項が出てくることと、x2−1 を微分すると x の項が出てくることに着目すると、(x2−1)2 を微分してみようかと動機付けされます。
解
((x2−1)2)′=2(x2−1)×2x より、
x(x2−1)=14((x2−1)2)′
∴∫x(x2−1)dx=14(x2−1)2+C
確認
一瞬、答えが違うように見えてしまいますが、よくよく見ると同じです。定数項に騙されています。
∫x√1−x2dx
√〇 を微分すると 1√〇 の項が出てくることと、1−x2 を微分すると x の項が出てくることに着目すると、√1−x2 を微分してみようかと動機づけされます。
解
(√1−x2)′=12⋅1√1−x2×(−2x) より、
x√1−x2=−(√1−x2)′
∴∫x√1−x2dx=−√1−x2+C
確認
∫xx2+1dx
log〇 を微分すると 1〇 の項が出てくることと、x2+1 を微分すると x の項が出てくることに着目すると、log(x2+1) を微分してみようかと動機付けされます。
解
(log(x2+1))′=1x2+1×2x より、
xx2+1=12(log(x2+1))′
∴∫xx2+1dx=12log(x2+1)+C
確認
∫logxxdx
〇2 を微分すると 〇 の項が出てくることと、logx を微分すると 1x の項が出てくることに着目すると、(logx)2 を微分してみようかと動機付けされます。
解
((logx)2)′=2logx×1x より、
logxx=12((logx)2)′
∴∫logxxdx=(logx)22+C
確認
∫xex2dx
e〇 を微分しても e〇 の項が残ることと、x2 を微分すると x の項が出てくることに着目すると、ex2 を微分してみようかと動機付けされます。
解
(ex2)′=2xex2 より、
xex2=12(ex2)′
∴;∫xex2dx=12ex2+C
確認
∫x(x−2)4dx
0 を足すことでうまくいきます。
解
x(x−2)4=(x−2+2)(x−2)4=(x−2)5+2(x−2)4
より、
∫x(x−2)4dx=∫{(x−2)5+2(x−2)4}dx=16(x−2)6+25(x−2)5+C
確認
∫√x+1(x+2)dx
これも先ほどと同様です。今度は 2 を 1+1 に分けます。
解
√x+1(x+2)=√x+1(x+1+1)=(x+1)32+(x+1)12
より、
∫√x+1(x+2)dx=∫{(x+1)32+(x+1)12}dx=25(x+1)52+23(x+1)32+C
確認
まとめ
以上のように、合成関数の微分を逆再生することでかっこのままで積分することができます。
従って、かっこのままで積分することができるようになるためには、合成関数の微分の練習をしっかり行うことが必要です。それも、できるだけシンプルに解けるように。シンプルな解き方は冒頭で紹介した↓の記事の中で「かっこのままで微分」として述べていますので、ぜひ参考にしてください。
目次で「例1:y=(2x−1)2の微分 かっこのままで微分する」まで進んでください。もしくは直接該当箇所へはこちら。
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